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フィジカルトレーニング

ピリオダイゼーションで継続的な発達を!

WRITER
山本 義徳 Yoshinori Yamamoto
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写真の使用許可:
http://www.muscletime.com

  一般に筋肉というものは「刺激に対する適応」により、発達します。ですから極端なことを言えば、トレーニング初心者のうちは何をやっても発達すると思っていいでしょう。
 ただし、トレーニング経験が長くなり、いつものトレーニングによる刺激に慣れてくると、筋肉はそれを"刺激"と感じなくなってきます。ですから継続的な発達を目指す場合は、常に新しい刺激を与えていかねばなりません。
 "新しい刺激"とは何か。それは筋肉がいままでに経験したことのない刺激です。例えば普段100kgでベンチプレスをやっている人が120kgで行ったとしたら、それは間違いなくフレッシュな感覚となるでしょう。あるいは普段スクワットを行っている人がレッグプレスをやってみたとき、それも新しい刺激となるはずです。このように、重量やエクササイズ、トレーニング強度、トレーニング頻度、セット数、レップス数などに変化を与えていくことが継続的な発達へのカギとなるわけです。

 とはいえ、そのときの気分でトレーニング内容を変えるだけでは最良の効果は得られません。刺激の変化そのものをプログラムしていくことにより、体系的なトレーニング計画を立てるようにしたいものです。
 さて、ここでピリオダイゼーションというメソッドが登場してきます。ピリオダイゼーションの定義としては、「試合期に向けてトレーニング内容を幾つかに期分けしていくこと」となります。似ているようですが、「サイクルトレーニング」というものは一まとまりのトレーニング内容を試合期に向けて"徐々に変化"させていくものであり、トレーニング内容を各期ごと、明確な目的のために変えていくピリオダイゼーションとは一線を画します。

一般的ピリオダイゼーションプログラム

 一般的なピリオダイゼーションのプログラムとしては、

Phase 1 ベーシックトレーニングにより基本的な体力をつけていく
Phase 2 パワーアップトレーニングにより筋力の基礎を形づくる
Phase 3 爆発的運動などを行って試合期に必要とされる爆発的パワー、スピード、アジリティなどを得る
Phase 4 試合期。それまでにGetした能力を維持するプログラム
Phase 5 回復期。完全休養の後にアクティブレストとする。

 このようなプログラムとなりますが、ボディビルの場合に限ればPhase 4は必要ないでしょう。ということで、ボディビル用のピリオダイゼーションプログラムとしては、次のようなものが考えられます。

ボディビル用ピリオダイゼーションプログラム

Phase 1 やや多めのレップスで毛細血管、ミトコンドリア、グリコーゲン蓄積能力などを高める。筋形質の体積を増やすことが目的。
Phase 2 少な目のレップスで収縮タンパクを増加させるとともに筋力を増加させる。
Phase 3 ネガティブ、フォーストレップスなどを利用して筋肉にマキシマムの刺激を与える。
Phase 4 完全休養の後、マシンを頻用して筋肉、関節、神経系を回復させる。

 こういった感じになるでしょう。なお、試合に出る人は、Phase 3 が減量用のトレーニングとなります。

 では、これらの各Phaseはどれくらいの期間にすれば良いのでしょうか。チャールズ・ポリクィンによれば、筋肉はだいたい3週間で刺激に適応するとのことです。ですからPhase 1 とPhase 2 は3週間ずつとしましょう。そしてPhase 3 ですがこういった高強度のトレーニングはオーバーワークを招きがちであり、しかも怪我の危険性も増します。よってPhase 3 は2週間とします。回復期間についてですが、完全休養1週間弱、マシントレーニング2〜3週間としましょう。これで十分に神経系、関節の疲労はとれるはずです。

 さて、ベンチプレスのマックスが100kgのトレーニーを例にとって、具体的なプログラムを考えてみましょうか。Phase 1〜4まで、トータル11週間ということにして作成します。

PHASE DAY WEIGHT/REPS/SETS
Phase 1 Day 1 75kg/12reps/3sets
Day 6 77.5kg/11reps/3sets
Day 11 80kg/10reps/2sets, 77.5kg/10reps/1set
Day 16 80kg/10reps/3sets
Phase 2 Day 21 87.5kg/6reps/2sets
Day 27 90kg/6reps/1set, 90kg/5reps/1set
Day 33 92.5kg/6reps/1set, 92.5kg/5reps/1set
Day 39 92.5kg/6reps/2sets
Phase 3 Day 45 120kg/3reps (negative)/2sets
Day 51 122.5kg/3reps (negative)/2sets
Day 57 125kg/3reps (negative)/2sets
Phase 4 Day 67 Machine Bench Press 15reps/4sets
Day 72 Machine Bench Press 15reps/4sets
Day 77 Machine Bench Press 15reps/4sets

 Phase 1 及びPhase 4 は神経系、筋肉への刺激が他のPhaseに比べて少ないため、休養日が中4日となっていますが、Phase 2 及びPhase 3 は充分に疲労を回復させるために、中5日の休養を取るように設定しました。
 この1クールを終えた後、使用重量を5%増しにして次回のプログラムに入るようにします。無理なく向上を期待できるプログラムですので、伸び悩んでいるかたは一度お試しになってください。

 それでは各Phaseの注意点を次に記します。

Phase 1 やや遅めのテンポで行い、筋繊維における収縮の重積を強くする。インターバルは短めで、毛細血管やミトコンドリアの容量増加を狙う。
Phase 2 爆発的な挙上を心掛け、モーターユニット動員数を最大限にする。インターバルは長めとし、神経系が充分に回復してから次のセットに入るようにする。
Phase 3 ネガティブ動作時にできるだけコントロールしながらゆっくり下ろすようにする。特にストレッチポジションのあたりでゆっくり動作するようにすること。インターバルはかなり長くとるようにする。
Phase 4 Phase 1と同様、遅めのテンポ・短インターバルとする。15レップスを狙うが、決して追い込まないようにすること。あと1〜2回できるかな、というところでストップしてOKである。

 ここでボディビルダーのみなさんが気になることとして、「例えば胸の場合、ベンチプレス以外の種目はどのように行うべきか」という疑問が出てくるでしょう。もちろん理想的なことを言えば、他の種目も同じように、各期ごとの重量を設定していくべきです。  ただし私の経験から言って、ベンチプレスをメイン種目、あと1〜2種目をサブ種目として行う場合、サブ種目はPhase 1〜3において同じようなやり方で行っても、結果に大差は無いようです。つまり、ベンチプレスだけは上記のようなプログラムで行い、残りの種目は6〜10レップスで行う、というようにします。  しかしPhase 4だけは回復期間として、やはり12〜15レップスくらいをマシンで行うようにしましょう。

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