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その他のプロホルモン
他にも一風変わったプロホルモンが幾つかあるが、いずれも前述の 「四大」 プロホルモンに優るものはなく、費用効果も薄い。 以下、その2、3種類について簡単に説明しよう。
5-アンドロステンジオン: 5-アンドロステンジオンは、基本的には、体内でアンドロステンジオンに異性化する化合物だ。 比較的高価であるため、これは、アンドロステンジオンの費用のかかる摂取方法でしかないと言える。
19-ノル-5(10)-アンドロステンジオール: このプロホルモンは、大して価値はない。 体内で僅かに19-ノル-4-アンドロステンジオールに異性化することがあるというだけだ。
19-ノル-5(6)-アンドロステンジオール: このプロホルモンには、多少の筋肉増強の特性があるようで、僅かながらノルテストステロンへも変換する。但し、ある研究でも示されているように、エストロゲン作動物質としての働きが強い。 (エストラジオールに比べ、エストロゲン受容体へのRBA(相対結合能)は4%となっている。) その結果、この物質のユーザーにおける、女性化乳房の発生率の高さは憂慮すべきである。
プロホルモンが健康に及ぼす利点
アンドロステンジオンやその他のテストステロン プロホルモンが健康に及ぼす利点に関する討論は、事実上テストステロンの利点に関する討論と言える。 詳しく言えば、テストステロン レベルの適度な上昇が及ぼす健康上の利点に付いての討論ということになる。 適度というのは、プロホルモンは(活性アナボリック ステロイドと異なり)、テストステロンを自然の生理的上限を超越する領域にまで、上昇させることはできないからだ。
プロホルモンは元々、アナボリックステロイドの、安全且つ合法的代替物として、ボディビルダーやアスリート用に市販されたものだ。 アナボリックステロイドは、規制薬物であり、乱用すると潜在的に有害効果を持つ。 ボディビルダーやアスリートがプロホルモンを摂取するのは、トレーニングからの早期回復と、筋肉の発達を促進するためなのだ。 この点については、プロホルモンはかなり効果的で、特に強度のトレーニングによってテストステロン のレベルが抑制されている場合(持久運動選手、コンペティション前のボディビルダーなど) や、テストステロンのレベルが自然的に低い男性などには効果がある。 また、最初からテストステロン レベルが正常または正常高値のアスリートにも効果が見られることが報告されているが、前述のタイプ程の劇的な効果はない。
これまでプロホルモンの使用者は、主に若いアスリートが中心であったが、プロホルモンの本来の標的マーケットはテストステロンレベルが減少しつつある中高年の男性なのだ。
アンドロポーズ
30才を過ぎると、男性のテストステロン レベルは、ゆっくりと継続的に減少し始める(1年に平均1~2%)。 テストステロン減少の症候は、男性更年期障害、アンドロポーズとして知られている。
その症状には以下のようなものがある。
・ 鬱病
・ 集中力低下
・ 記憶力低下
・ リビドー喪失、勃起不全
・ 筋量、筋力、スタミナの減少
・ 骨量低下
・ 内臓脂肪の増加
・ 種々心疾患の危険因子の増加
過去5〜10年のあいだに、アンドロポーズの治療としてのテストステロン補充療法の効果について、数多くの研究が行われている。これらの研究から集められたエビデンスは、テストステロンを若者並みのレベルに回復させる事の有効性と安全性に関して圧倒的に肯定的なのだ。次の様な利点が報告されている。
・ 除脂肪体重と筋力の増加
・ リビドーと性機能の増大
・ 血中脂質濃度の改善
・ 骨量の増加
・ 認知力の改善
・ 冠血流の増加
・ 気分の高揚と安寧感
・ 記憶力の改善
・ アルツハイマー病の予防効果
前にも述べた通り、プロホルモンは、テストステロン値を正常~正常高値まで上昇させるのに効果がある。 従って、適切なテストステロン プロホルモンを正しく使用すれば、テストステロン補充療法と同様の効果を得ることができる。 何百万という人々の健康と生活の質の改善にプロホルモンが役に立つのは、まさに男性更年期障害の治療にあるようだ。
プロホルモンの本当のリスクとは?
プロホルモン、特にアンドロステンジオンの使用には、幾つかの非常に大きな危険が伴うことが示唆されている。これについて、まず述べる必要があるのは、アンドロステンジオンが市場に出てから殆ど6年にもなるが、重篤な有害効果に関して妥当性のある研究報告は、今だに一つも無いことだ。さらに、アンドロステンジオンには特定の副作用のリスクが全くないとは言い切れないにしても、これらのリスクは正しい状況のもとで判断する必要がある。
アンドロステンジオンに伴うと言われているリスクについて検討してみよう。
・ 心疾患: テストステロンが心疾患のリスクを高める原因になるというのは、主に心臓発作が女性よりも男性に多いことに由来する昔からの迷信だ。 実際はそれと反対に、男性における心臓血管疾患のリスクは、テストステロンのレベルに逆の相関を示すことが、研究により強く示されている。 アンドロステンジオンの使用によるテストステロンの増加が、心疾患のリスクを高める事があるという正当な証拠はないが、エストロゲンレベルの上昇が寄与因子となる可能性に関しては、相反するエビデンスが報告されている。
・ 肝機能障害: アンドロステンジオン、および非合成アンドロゲン性 ホルモンの使用が、肝臓障害を引き起こすという非難は、誤解を招くばかりか全く間違っている。 肝機能障害と関連づけられているのは、特定の種類の合成経口アナボリックステロイド(テストステロン誘動体)の使用なのであって、テストステロン自体や、テストステロンの代謝物 (プロホルモン)とは関係がない。
・ 前立腺肥大/癌: テストステロン レベルとBPH(前立腺肥大症)、前立腺癌との関連性は見つかっていない。 それに対し、エストロゲンがBPHを引き起こす要因となることは示唆されている。
・ 女性の男性化: アンドロステンジオンやその他のテストステロン誘動体(アンドロゲン)を女性が使用した場合、男性化が起こりうる。 これは、用量依存性であり、女性の使用者のこれら化合物に対する感受性にもよる。 女性も、アンドロステンジオンやその他のプロホルモンを安全に摂取することができるが、摂取用量は少量でなければならず、体毛の増加や声変わりなどの変化に気を付けなければならない。 この様な兆候が現れたなら、すぐ使用を中止することで簡単に永久的男性化を避けることができる。
・ ティーンエイジャーの発育阻害: アンドロステンジオンやその他のプロホルモンは、必ず成人による使用のみという了解のもとに販売されてきた。ティーンエイジャーが これらの化合物を使用すれば、早期骨端閉鎖の危険がある。 これは、正常に成長した場合の背丈まで、身長が伸びないということで、 健康上の実害はないとしても重大な外見上の問題になることは確かだ。
・ 女性化乳房: 女性化乳房とは、男性における乳房組織の発達のことで、健康を脅かす問題というより、むしろ外見上の問題である。 普通、乳首部の皮膚下に小さな腫瘤の形で出現する。 厄介にも、アンドロステンジオンがエストロゲンへの変換傾向が強いため、それに敏感な男性に起こりやすい。
さて、アンドロステンジオンが一部で言われている様な「キラー」ではないとしても、特定の望ましくない副作用に関連づけられている。これらの副作用は概して、アンドロステンジオンが体内で変換するところのエストロゲンによって引き起こされるのだ。 本稿の最も重要なポイントはそこにある。はるかに安全なプロホルモンであるアンドロジオール○Rが、もう4年も前から市場に出ており、それこそ現在広く使われているプロホルモンであり、臨床的に研究されるべきであったという事実を強調しておきたい。
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