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その5: 様々なタンパク質評価法で評価されたタンパク質スコアによって、トレーニングの成功度が決まる。
事実: タンパク質は多く摂取するほど、その質は問題ではなくなる。 言い換えれば、低品質のタンパク質は量を多く摂ればよい。
食事で摂取するタンパク質の量は、その評価スコアに重要な影響を及ぼす。事実、1日に35〜45gのタンパク質しか食べないなら、そのタンパク質は必ず栄養価の高い良質のものでなくてはならないが、ボディビルダーが一般に行っているように大量のタンパク質(例えば体重1kgにつき、1.6〜1.8g)を摂取するなら、その量でわずかな質の差は補うことができる。プロテインサプリメントが一定の栄養価レベルに達していれば、筋肉増強に充分な量を摂取している限り、それ以上プロテインの質を高めたところで、効果の点で大差はない。
以下は幾つかのタンパク質測定法の概要である。ただ、タンパク質の品質を測定するテストは、最低限度のタンパク質所要量に従って行われるため、栄養の足りたボディビルダーやアスリートのそれとは全く異なった代謝環境を作り出すことを忘れないで頂きたい。
ケミカルスコア (化学価)
タンパク質の品質を測定する明らかな方法は、そのタンパク質を構成アミノ酸に分解してみることだ。こうして得たアミノ酸プロフィールを基準プロフィールと比較する。タンパク質の栄養価を表すケミカルスコアの基準として使われているのは卵タンパクで、そのスコアは100である。例えば特定のアミノ酸を限られた量しか含まないタンパク質を、卵タンパクに含まれているアミノ酸量と比較し、それが卵に含まれる量の75%であれば、そのタンパク質のスコアは75となる。この事から、このタンパク質を必要量だけきっかり摂取すれば、摂取した窒素の25%が尿中に排泄されると推定できる。
タンパク質のケミカルスコアを割り出すのは比較的簡単で、費用もかからないが、体がどれだけそのタンパク質を利用できるかは正確に表すことができない。タンパク質の栄養価を決定するケミカルスコアの利点は、簡単で安価ということであろうか。欠点は、そのタンパク質の消化率がまるでわからない事である。またケミカルスコアの測定法はその過程で特定のアミノ酸を壊してしまう可能性があり、評価値が不正確になることがある。そしてそのタンパク質中に消化を妨げる可能性がある物質が存在しても、それを感知できない。 この変数を発見するためには、生きた動物を使って測定を行わなくてはならないのだ。
生物価 (BV)
生物価 (BV) スコアは生体を使った測定法である。体が実際に利用できるタンパク質の量を測定するには、ヒトにタンパク質を投与し、窒素の尿中損失量だけでなく、糞中損失量も測定する必要がある。これは国際的に使用されている方法である。
タンパク源のBVを測定するためには、二通りの窒素検査が行われる。一つは、タンパク質を投与しなくてもどれだけの窒素が体外に排泄されるかを測定するものだ。この窒素損失量は不可避で、食事から摂る窒素の量にかかわらず、体が自然に排泄する量と考えられている。もう一方は、所要量をわずかに下回る量のタンパク質を投与した後、同様に窒素損失量を測定し、その損失量を摂取量と比較する。 タンパク質の実際のBVは、次の公式を使って算出する。
NPU(正味タンパク質利用率) = (体内保留窒素 / 摂取窒素) x 100
この方法はしばしば被験動物を用いて、広く使われている方法だが、得られたNPU値が低い場合、それがアミノ酸プロフィールが悪いためなのか、消化率が低いためなのか全くわからないのが欠点である。
タンパク質有効利用率 (PER)
タンパク質の栄養価を評価する方法として最も良く知られているのが、タンパク質有効利用率 (PER)で、米国の食品成分表示に関する規制とタンパク質1日所要量の設定はこれに基づいている。これはラットに一定量のタンパク質を投与し、成長に従って体重を測定する方法だ。PERは次の公式で表される。
PER = 体重増加量 (g) / タンパク摂取量 (g)
この方法の利点は、経済的で簡単なことだ。欠点は、時間がかかること、ラットのアミノ酸需要はヒトのそれとは異なること、成長期の動物のアミノ酸の需要は成長した動物のそれとは異なること(例えば成長期の動物とヒトはリジンの需要が高い)などである。
米国では、PERはタンパク質の1日所要量に関する修正書きに使われている。1日所要量は牛乳タンパク質カゼインと同等かそれ以上のPER値のタンパク質の摂取を前提としており、それよりPERの劣るタンパク質の場合は、RDA(推奨1日所要量)を満たすために多量に摂取する必要がある。食品成分表示は、カゼインのPERを基準としたタンパク質の栄養価を考慮したものでなくてはならないのだ。もし、食品に含まれるタンパク質の栄養価がカゼインのそれと同等かそれ以上なら、RDAは45gであるが、栄養価がカゼインよりも低い場合は、そのタンパク質のRDAは65gとなる。
多分諸君は、タンパク質を食事から摂るのとサプリメントから摂るのでは、違いがあるのかどうか疑問に思っているだろう。考えてみよう。食べたタンパク質が血流に吸収される頃には、諸君の体は摂取した食物に各アミノ酸がどれだけ含まれているかという事しかわからないのだ。実際経済的に許す限り、高品質のプロテインサプリメントを飲む方が余程簡単なことは確かだ。それ以上は、摂取するタンパク質が必須アミノ酸をすべて含む完全タンパク質であり、充分に消化できるものなら、それをどんな形で摂ろうと何ら変りはない。
タンパク質消化率補正アミノ酸スコア (PDCAA)
前述したように、タンパク質の品質はそれに含まれる不可欠(必須)アミノ酸の分量で測定できる。生体に必要なすべてのアミノ酸を含むタンパク質は、完全タンパク質と呼ばれ、そのスコアは高い。しかしタンパク質のなかには効率的に消化されないものもある事から、アミノ酸組成だけでなく、その消化率も測定する必要が出てきた。このタイプの測定はタンパク質消化率補正アミノ酸スコア(PDACC)と呼ばれ、現在ではアメリカ連邦政府がこれを、幼稚園児のためのタンパク質栄養価の決定基準として使用している。
また食物の中には、抗栄養因子を含むものもある。これらの因子は、例えば特定の豆類のようにたまに天然に存在したり、加熱や料理の結果発現し、消化を妨げて特定のアミノ酸の吸収を抑制する。タンパク質スコアのPDCAA法は、抗栄養因子を含む食物の栄養価を過大評価することが多いことが研究で明らかにされている。[12]
どのタンパク質測定法ではスコアが高いの、どのテストでは低いのといった、上述の様々な議論から言える事は、それらが栄養の行き届いた平均的なアスリートには何の意味もないということだろう。
結論
タンパク質の正しい知識を持っていれば、費用の節約になるばかりか筋肉増強の新しい機会を発掘できる可能性もある。知識はプロテインその他のサプリメントを効果的に使用するための重要な鍵となるものだ。 あやしげな効能書きや、ホンモノまがいの科学に惑わされてサプリメントの購入を決定してはいけない。その昔ある賢者は「真実を知れ、真実は汝に自由を与えるであろう」という言葉を残した。 これを当てはめれば、真実はプロテインサプリメントについて賢明な選択をする自由と、盛り上げ宣伝と良心的な会社の品質の高い製品とを区別する自由を与えてくれるものといえる。
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