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プロホルモンのデリバリー システム ― どれを選べば良いのか
By パトリック・アーノルド Patrick Arnold
速効性 デリバリー システム

従来の経口カプセル剤とパウダー

プロホルモンのカプセルやパウダーを経口投与すれば、どうなるのか? もちろん最初は胃に入るが、そこでは大した変化は起こらない。 (広く言われているのとはうらはらに、胃酸はプロホルモンを分解出来るほど強力ではない。) 胃を通過した後、小腸に移動したプロホルモンの僅かな一部は、腸内の微生物により代謝される。 こうして生成された代謝物質には、活性ホルモンそのものや、プロホルモンに再変換しうる化合物、活性ホルモンに直接変換する化合物などが含まれている。

大部分のプロホルモンは、小腸から門脈循環に吸収されて、肝臓に入るが、ここで多くの変化が待ち受けている。 肝臓には、ヒトの体が産生するほとんどすべてのステロイド代謝酵素が集まっているのだ。 その結果、肝臓を出るまでに非常に高い割合のプロホルモンが、変化を受ける。 その変化というのは、例えば活性ホルモンへの単なる代謝や、容易にもとに再変換する他の誘動体への代謝といった単純な場合もあるが、大部分のプロホルモンは、大規模な代謝を受け、大抵はその最終的生成物である不活性抱合型ケトステロイドに変換して、尿と共に排泄されてしまう。

摂取したプロホルモンのうちで、この肝臓での最初の分解段階を通り越した残り(総摂取量の5%弱と思われる)には、変化を受けなかったそのままのプロホルモンや、活性ホルモンに変換したもの、他の誘動体(大抵は元のプロホルモンに再変換可能な化合物)に変換したものなどが含まれている。 こうして残った摂取プロホルモンステロイドのそれぞれの形態は、体内のあちこちの組織に移動して必要に応じて活性ホルモンに代謝変換し、適切な受容体が組織に存在すれば、ホルモンの生化学的メッセージの伝達が可能となる。活性ホルモンへの変換は、循環血液中においても起こることがある。 以前は、生成された活性ホルモンの有意なレベルが持続するのは、3~4時間程度であり、そのレベルがピークに達するのは60~120分あたりであろうと考えられていた。しかしこの件については、最近の研究でさらに解明が進んでおり、かつて考えられていた程単純ではなさそうである。

プロホルモンの用量が高い程、そのバイオアベイラビリティーは大幅に増加すると思われる。 この事を示す例として、JAMA (Journal of the American Medical Association) に発表された、アンドロステンジオンに関する最近の研究がある。この研究では、被験者にアンドロステンジオン100mgを投与し、プラセボ群と比較したところ、アンドロステンジオンのAUC(濃度曲線下面積) 血中レベルは平均72%の上昇を認め、テストステロンのAUC血中レベルは4%の低下が認められた。 ところが、アンドロステンジオンを300mg投与した被験者グループにおいては、AUC血中レベルがそれぞれ697% および34%も上昇したのだ。 この第二のグループが摂取したアンドロステンジオンの量は、最初のグループの3倍であったが、そのホルモン血中レベルの上昇は何と300%をはるかに超えている。 一体どういうことなのだ。 筆者がこの研究報告を読んだ時、非常に興味深く思った。 というのは、経口投与のプロゲステロンや、テストステロンに関する過去の研究で、同じような現象をみたことがあるからなのだ。

このような経口プロホルモンのバイオアベイラビリティーの現象については、次の様な理論がたてられる。 そのままのテストステロン、DHEA、プロゲステロン、およびその他の人工的に保護されていない自然の ステロイドホルモン類同様、プロホルモンは肝臓で大々的な代謝による『破壊』にさらされる。肝臓というのは、生体の不活性化ゴミ処理場といってよく、プロホルモンを経口投与すると、最初にたどり着くのが、この破壊的なゴミ処理器官なのだ。 しかし、一回に摂取するプロホルモンの用量を増やせば、肝臓の代謝不活性化酵素を圧倒的に停滞させてしまうことが可能だ。 結果として、適量のプロホルモンが変化を受けることなく、無事肝臓を通過し、末梢組織に行き渡って活性ホルモンに変換されることになる。

この肝臓バイパス現象を起すに必要な限界用量は、はっきり分かってはいないが、一応300mg位と考えていいだろう。 一日600~1200mgを2回に分けて摂取している使用者には、なかなか見事な結果が見られている。 用量を2回に分けた投与で充分と考えられる理由は、1回の用量が多ければ多いほど、血中ホルモン濃度が低下するまでに要する時間が長くなるからなのだ。 ホルモンレベルの経時的変化のカーブ面積は、かなり大きく、カーブの幅も広い。 これは、ホルモンの量が多いという事実が要因となっているばかりでなく、肝臓の代謝不活性化の停滞によって半減期が延長されるからなのだ。

プロホルモン サイクロデキストリン 錯体舌下錠

プロホルモンのサイクロデキストリン錯体舌下錠は、速効性プロホルモンのデリバリー システムの改善型として市場に登場した。 これらの錯体舌下錠は、錯体化していない形態に比べると、口内粘膜からの吸収率が数倍も優れており、舌下吸収製剤として非常に効率的なのだ。

プロホルモンのサイクロデキストリン錯体とは、具体的にどういうものなのか? サイクロデキストリンの分子は、ちょうど中が空洞の円錐台形の様なものと思えばよい。円錐台形のサイクロデキストリン分子の空洞の内側は親脂性で、ステロイド分子が丁度すっぽりと入る大きさである。 一方外側は、親水性で水を好む。 このユニークな特性のおかげで、ステロイド(プロホルモン)分子自体は水に溶けないにもかかわらず、それがサイクロデキストリン分子の内部に取り込まれた結果生成された錯体は水溶性となる。 言い換えれば、サイクロデキストリンというのはステロイドの水溶性『分子用コンドーム』の働きをするものと言える。

舌下に含んだプロホルモンサイクロデキストリン錯体錠は、ゆっくりと唾液に溶解し、口内に広がる。 溶解したサイクロデキストリン分子は、それぞれプロホルモン分子の荷を担って自由かつ速やかに移動し、つかの間、口内粘膜や舌に接触する。 この非常に短い接触期間に、プロホルモン分子は、シクロデキストリン分子から解離し、親脂性の口腔内粘膜層に取り入れられる。 口内の組織は血流が豊かなため、こうして吸収されたプロホルモンは、速やかに体循環に送り込まれるのだ。 この様にしてプロホルモンは、最初の関門である肝臓を迂回して体内に吸収される。そのため、舌下投与の方が、単純な経口投与よりも全体的に活性ホルモン濃度の増加がはるかに大きい。 また、血中ホルモン濃度のピーク到達時間もかなり短くなっているが、この事は、単純な経口プロホルモン投与経路に比べ、サイクロデキストリン錯体技術を用いたプロホルモン舌下投与による吸収が格段に速いことを示している。

持続性デリバリー システム

経皮吸収プロホルモン ジェル

最初に市場に現れた持続性デリバリー製剤は、経皮吸収性ジェルであった。 この局所外用プロホルモン剤の最もよく見られる形態は、水性アルコールジェルで、アルコール、水、濃化ポリマー剤、中和剤、および活性ホルモンを成分としている。 ジェルは皮膚に良く塗り込んで使用する。 アルコールはすぐに蒸発し、水分は皮膚に吸収され、プロホルモンは皮層に拡散する。 皮膚を透してのプロホルモンの吸収速度は遅いので、1日に1度か2度、局所に擦り込むだけで、持続的効果が得られる。 これは、血中ホルモンの濃度が2~3日かけて一定の安定したレベルまで、ゆっくりと上昇するという事だ。 そして毎日局所的経皮投与を続けたと仮定すると、血中ホルモン濃度はその後も多少とも一定レベルに維持される。 ホルモン濃度が比較的短期間に上下する経口投与の場合と著しく対照的だと言える。

この単純なフォーミュラは、確かに効果はあるのだが、血液循環まで首尾よく到達するプロホルモンが僅か10%程度というのが欠点だ。 その上、その10%のうちの大部分が皮膚内の酵素による代謝を受けて、5-アルファ還元誘動体に変換してしまい、血流に至るまで元の形を止めていないことがある。

バッカル テクノロジー

持続性 プロホルモン デリバリー進化の次の段階は、バッカルサイクロプロホルモンだ。 サイクロデキストリン舌下錠と同様、バッカル錠はサイクロデキストリンの錯体であり、プロホルモンが効率的に口内組織を経て吸収される。バッカル錠が異なる点は、口内の頬部 (上唇と歯茎上部の間)に付着する成分を含んでおり、非常に薄い剤形で、特に時間をかけて溶解する(普通30~40分かかる)ように出来ていることである。

口内の頬部(バッカル部)とは、頬や唇の内側の粘膜組織をさす。 この組織は、血液の循環が良く、舌下組織ほどではないが、浸透性に富んでいる。 頬部組織は、舌下組織よりも唾液の流入が少なく、歯茎の組織は厚いので分子の浸透に時間がかかる。 この様な特性は、プロホルモンの持続的デリバリーに非常に都合がよい。これまで長年にわたって製薬会社はバッカルデリバリー製剤を販売して来たが、それは バイオアベイラビリティーの高さと、成分放出の持続性が認められているからなのだ。

バッカル錠は、ホルモンのレベルを5~8時間に渡って持続させるのため、1日に2~3回の投与で、体内のプロホルモンのレベルを比較的高く安定して維持できる。 バッカル錠は、犬歯の上部の歯茎組織に付着して使用するが、1度に2~3錠を同時に使用する事も出来るのだ。

プロホルモン スプレー

技術の進歩は、プロホルモンのスプレーの開発をもたらした。プロホルモンスプレー は、アルコール溶液に活性プロホルモンを溶解したもので、身体にスプレーし、経皮吸収ジェル製剤と同様な形で吸収される。 独自のプロホルモンスプレー製品を販売している会社は2、3あるが、効率性を最大限に高めるよう、正しくデザインされているのは、Ergopharm ブランドだけである。 注意したい事は、経皮吸収プロホルモン スプレーの効果の限界が、投与からシャワーや入浴で洗い落とされてしまうまでの間に吸収出来うるプロホルモンの量にある事だ。 プロホルモンをただアルコールに混ぜて皮膚に塗れば、完全に吸収されるのに何週間もかかる。浸透は非常に遅い。このため、皮膚にスプレーした分が洗い落とされるまでに吸収される量は、少量にすぎない。 そこで 浸透促進剤を添加すると、浸透率が増し、皮膚から吸収されるプロホルモンの量を有意に増加させる事ができるが、プロホルモン スプレーの製造に、浸透促進剤を添加しているのはErgopharmの製品だけである。 IPMは吸収率を2倍にも3倍にも高める効果を持つ事が証明されており、プロホルモン経皮総吸収率を高めるが、 これは、皮膚の最も外側の角質層に含まれる脂質を置換する事で達成される。 IPMとは、イソプロピルミリステートの略で、FDA(食品医薬品局)の承認を受けている安全で効果的な物質だ。多くの化粧品や医薬品 (ユニメッドのアンドロジェルなど)【新規承認を受けた処方医薬、テストステロンジェル】に、皮膚浸透促進剤として使用されている。

Erogopharm は又、他社製品に使用されているイソプロパノールの代りに、エタノールを使用している。 エタノールの大量買い付けにはATF (アルコール、タバコ、火器局) のライセンスを必要とするが、幸いLPJ リサーチ Inc. はそのライセンスを取得している。 他の大抵の会社はこのライセンスを取得していないために、品質の劣るアルコールの使用を余儀なくされているのだ。 イソプロパノールはエタノールよりも沸点が高いので、皮膚から蒸発する時間もそれだけ長く、皮膚を乾燥させやすい。その上、エタノールよりも臭いが強く、蒸発が遅い事もあいまって、長く皮膚に臭いが残る。 Ergopharmの局所外用スプレーは、持続的効果をもつが、比較的速やかにプロホルモンを皮膚に浸透させる浸透促進剤を添加してあるため、1日2回の投与が望ましい。もちろん1日1回の投与でも、ほとんど24時間持続してホルモンのレベルを維持する。

速効性と持続性 の両デリバリー システムの利用

速効性ホルモン製剤は、ホルモンのレベルを非常に速く短期間上昇させる。 一般的に、エクササイズや他の運動競技の直前に、耐久力、集中力、筋力の増強のために用いられる。 これに対し 持続性製剤は、アナボリックホルモンの高レベルを維持する事で筋量の肥大を望む使用者に好まれている。 論理的には、速効性と持続性プロホルモン製剤を併用する事で、効率よくウェイトトレーニングの目標達成を促進できるといえる。但し、気をつけるべきことは、プロホルモンレベルの持続時間が長いほど、自分の身体のホルモン産生能が部分的に抑制されるリスクが大きくなることだ。筆者のアドバイスとしては、持続性製剤は、4週間以上続けて使用しないのが望ましく、速効性製剤と持続性製剤をサイクルして使用するのが効果的だろう。プロホルモンをサイクルする場合は、少なくとも「オン」の期間と同じ長さの期間をあけて、次のサイクルを始めるべきである。

次回: 短期のパーフォーマンス向上に最も効果的と考えられるプロホルモン デリバリー システムを紹介しよう。

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