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ベースラインダイエット パート1
By ライル・マクドナルド Lyle McDonald 
イントロダクション
 2,3の質問から始めたい。ここ数ヶ月の内にどれぐらい筋量を増やせたか?平均レベルのリフターなら「思ったほどは増やせなかった」と答えるだろう。
 では次の質問。驚異的な筋量をつけるために外国産のサプリメントにどれぐらいの額のお金を使ったか?またしても平均レベルのリフターなら「使うべき以上の額」と答えるだろう。
 質問を続ける。一日の食事の回数は?カロリー摂取量は?プロテインは何g?炭水化物は?脂肪分は?最後に果物と野菜を食べたのはいつか?毎日どれくらいの水を飲む?平均レベルのリフター(そしてそのようなレベルをキープしたい)の答えはおそらく、「分からない」だろう。

というわけで次の2つのコラムで取り上げるトピックスだが、皆さんは私は新しい栄養攻略法を論じていくと期待しているだろう。新しい手法もいくつかあるものの、ボディービルディングのための栄養摂取においてはそれほど目新しいものはない。30年前のリフターに比べれば知識が豊富になったのは事実であるが、大まかな基本ルールは変わらない。このコラムと次のコラムではこのベーシックルールについて話したい。

サプリメント
 Q&Aコーナーで受ける質問の半数以上はサプリメントに関することである。ほとんどはプロテインパウダー、ECAスタック、クレアチン等が主であるが中には市場に出回っている、もっと変わった製品についての問い合わせも少なくない。それらの商品は、ボディービルディング雑誌のために言うが、数多くのリフター達、特にリフティングを始めたばかりの人達に筋肉増量のためには投資が欠かせないと思い込ませるようだ。 それについて述べたい事は山ほどあるが、後のために取っておく。
 さて、事実と向かい合う時がやってきた。それはサプリメントが存在する以前にもリフター達は非常にでかく強かったということである。もう一つ、それは食事療法(それともちろんトレーニング法)がボディービルディングや他のあらゆるスポーツにおける成功の95%を占めるという事実だ。せいぜいサプリメントが上げられる効果は5%程度。競技大会においてはその5%が勝ち負けを左右することになるかもしれないが、そうでなければサプリメントに小金を費やしても無駄である。つまり、トレーニングと食事療法を95%まで整えておかなければ金と労力をサプリメントに浪費しているということになってしまう。
 勘違いしないで欲しい。私は反サプリメント派ではない。賢者の言葉を借りるならば、トレーニングを行う者にとって重要な事柄(トレーニングおよび食事療法)から気をそらさせる物全ての反対主義者ではあるが。 
プロテインパウダーは効果的であるが、それがなくても一日のプロテイン必要摂取量は十分に簡単に取れる。マルチビタミン・ミネラルは悪くないだろう。なぜならそれらを毎日完璧に摂取することは誰にもできないからだ。クレチンはあまり時間をかけずに体を強くし、水分重量を増やしてくれる。
 MRPについては悩むところである。食べ物は安くて栄養価も高く味もいいが、スケジュールがきつい場合、MRPは簡単に栄養を補給してくれる。しかし、次の週の準備のために日曜に鳥の胸肉、卵、パスタ、ご飯などを1時間ほど料理するのに時間をかけるのもいいかもしれない。
 サプリメントについては今はこのくらいにしておこう。そのうち何かいいものがあった場合には取り上げることにする。

ベースラインダイエットとは?
 簡潔にいってしまえば、ベースラインダイエットとはトレイニー達が、サプリメントや間違ったダイエットをあれこれと試す前に決める必要があるものである。それらを試す前に、まずベースラインを設定し、それを少なくとも2,3ヶ月続け、自分の体がどのように反応するか観察をしていく。それにともない、体のつくりの変化をなんらかのやり方で測定していく必要がある。安価なカリパスのセットを用意し自分の肉厚を測る習慣を身につけると良いだろう。
 ここで述べていく事は既に何度も繰り返し言われてきた。しかし、基本的な栄養摂取において間違いを犯している人々から多くのメールを受けている以上、これは繰り返すのに値するであろう。ベースダイエットは次の7つのカテゴリーに分類できる。食事の回数、カロリー摂取の合計値、水分、プロテイン、炭水化物および脂肪の摂取。このコラムでは最初の3つを取り上げ、次のではプロテイン、炭水化物そして脂肪について述べたい。

食事の回数
 死ぬほど言われ続けていることだが、真剣にボディービルをしている人は1日に4〜6回食事を取るべきである。筋量増加のためには3回は適切でない。一番大きな理由は3回では筋量を増やすのに十分なカロリーを摂取するのは難しいという点にある。食事を小さく何回にも分けて取ることにより安定した栄養の流れを体に送りこむことが出来るのだ。コレステロールと体脂肪のレベルを抑えた食事を何回にも分けて取ることの有効さは、研究によっても実証されている。この食事法は筋量の増加を維持するための高カロリーダイエットをやりやすくする、典型的な方法なのだ。
 実際に3時間毎ぐらいに食べ物を口の中に入れてみること。回数をもっと増やすという例を見てきているが3時間の代わりに2時間毎に食べたとしても著しい違いがあるとは信じがたい。食後、グルコースやインシュリンを保てる時間は大体その位である。大抵プロテインを完全に消化するには2〜3時間を要するのでそれより頻繁にプロテインを取る必要はないだろう。
 それ以上に重要だと考えられるのが、前夜の異化作用を停止させる朝食とワークアウト後である。リフター達が犯してしまう最たる失敗はワークアウト後の栄養補給にある。私のジムでワークアウト後に30〜60分だらだらとしゃべり歩いたり、異性と戯れるリフターをよく見かけた。運動後は栄養をより効果的に吸収するという絶好の機会だというのに。ワークアウト後すぐに飲めるものを持って行くか、あるいはそこで購入するべきだろう。今後のコラムでも述べていくがワークアウトの前や途中でも栄養を摂取する意義があるようだ。様々なガイドラインがあるが1〜1,5g/kgの炭水化物とその1/3のプロテインを運動後に取るのが一般に薦められている。
 1日の最後の食事となるのが就寝直前か夜中で、それから朝食までの間は栄養補給なしで過ごす最長の時間となる。食べ物をしっかり消化した方が同化作用はうまく保てるであろう。研究データによると消化器官は時に休ませる必要があるので、四六時中食べ続ければそれを妨げることになってしまう。栄養を取り入れるためにといって睡眠を妨げるのも良くないであろう。どういうわけか私は、トイレに行くためによく夜中に起きてしまうので、起きたついでに牛乳などを飲むが、もしそういうことがないなら寝る前にシェーク(プロテイン、炭水化物、脂肪、繊維などを含む)を飲めば血中の栄養を持続的に流し続けてくれるだろう。

合計カロリー
 栄養素の構成バランスは食事法の成否を決める要因だが摂取カロリーも同様に重要である。私が今までに出会った、筋量を増やそうとしていたが増やせないリフター達はトレーニングのし過ぎか、単に十分に食べていないのいずれかだった。4,5年前には、魔法のように筋量を増加させる低カロリードリンクのリーンマスゲイナーの人気が高まった(そして下降した)。それは、いつもそれらの製品に含まれるクレアチンがすばやく水分重量を増やすからである。
 脂肪を減らすと同時に筋量を増やす、というリフター達の間で浸透しつつある信念(欲望というべきか)がある。ビギナーやトレーニングをしばらく休んでいた人達はこれをなんとかやれるのだが、初級レベルを超えてしまった人達は、通常ステロイドの助けなしでは不可能であるようだ。私が薦める攻略は筋量増加(脂肪増を受け入れながら)を脂肪減少(筋量減少を最低限に抑えながら)に置き変えるやり方だ。そうすれば筋量を増やしながら余計な体脂肪率の蓄積を防げる。
 次の問い。筋量を増やすには何カロリー必要か?これに対する答えはズバリ、「十分なカロリー」。原則として筋量増のためには数週間毎に少々の脂肪増加が数字で確認できるほど(カリパスで測定)高いカロリーを摂取しなくてはいけない。そうすれば筋肉をつけていくことが十分に出来る。筋量増加を始めるには1kgあたり35〜40kcalでスタートさせるのがよいだろう。個人差があり体重/筋量を増やすのに55kcal/kg取らなければならない人達もいた。
 上記のカロリーレベルから始め、1週間おきの体の測定結果をみて調整していくのが望ましいだろう。例えば40kcal/kgでスタートして、2週間後カリパス測定(体脂肪率の最も分かりやすい、男性なら腹部のあたり女性は太もものあたり)がどう変化するかみる。少し増えていれば(数ミリ程度)OK。そうでなければさらに2〜300kcalを1日の摂取カロリーに加える。そのうち体重を増やすのに必要な自分にあったカロリー値が分かるだろう。当然ながら、体が大きくなるにつれてカロリーもプラスしていかなければならない。

水分摂取
 すこぶる簡単な事にも関らず、水の取り方も基本的なミスを犯してしまいがちなところである(私も同罪)。脱水状態が引き起こすダメージは最小(2%の脱水症、強さやパフォーマンス減)から痛みを伴うレベル(腎臓結石)そしてより重症(10%の脱水症、死に至ることも)のレベルに分かれる。
 水分摂取のルールは多くあるが(例えば1日にコップ8杯とか)誰にでも適しているわけではない。私の友人のガイドラインをこっそり教えよう。経験から得た知恵によれば一日に5回分の尿がちゃんと出るぐらいが良いらしく、ちなみにそのうちの2回はワークアウト後。これを目安にすればそれぞれの水分摂取量が分かるだろう。当然、高温多湿の環境に住む人(あるいはエアコンのないジムに通う人々)は温暖な気候で生活する人々や高級ジムに通う人々より水分を補給する必要があるわけだ。
 理想的な水分摂取は水で行うのが好ましい。しかし、牛乳、フルーツジュース、果物や野菜などなら水分摂取量の合計に換算しても良いだろう。利尿作用のあるカフェイン入りの飲み物は勘定にいれないこと。アルコールも脱水作用を起こしやすいのでワークアウト後のビールは体内の水分量を増やす目的には不適当である。それから喉の渇き具合で体内の水分状態を決めてはいけない。喉が渇いているということはすでに軽い脱水症状を起こしているからだ。

課題
 今から来月までに当面の食事の回数、カロリーと水分の摂取量を(記録をつけながら)決めておく。一日に食べたり飲んだりしたもの全ての記録を日誌のようにつけていく。少なくとも3日(この場合は食事の規律が最も乱れやすい週末の1日を含める)からまるまる1週間分まで。カロリー摂取量を計算するための簡単なカウンターも必要になるだろう。

<編集者より:カロリーカウンター参考希望者はここをクリック。>

 自分の記録と私の示した基本的な食事法ガイドラインを比較してみる。1日に4〜6回食事を取っているか、筋量を増やすのに十分なカロリーを取っているか、水分は足りているか?これらの質問に「はい」と答えられれば勝ったも同然。「いいえ」ならこれから1ヶ月悪いところを正していこう。心理学者によると新しい習慣を身につけるためには3週間かかるということなのでパート2を読む頃までには問題を解決しておくように。


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